マンハッタン計画に参加した天才数学者のフォン・ノイマンは、「アジアの狂った猿をこらしめる」ため、日本への原爆投下に賛成した。
占領軍のマッカーサー元帥は、昭和天皇と会って、直談判したおり、天皇陛下がまごうことなき「近代人」であるということを認識した。ほとんどの日本人は、前近代人であったが、昭和天皇は、近代人であった。マッカーサーは、近代人である天皇を通して、日本を近代化したいと考えた。
欧米列強のアジアへの侵略行為に対して、緊急に、近代国家を成し遂げるために考え出されたのが近代天皇制である。近代産業化は、キリスト教文化(なかんずく、プロテスタンティズム)によっている。
神と人間には、無限大の距離がある。つまり、神は、無限遠に位置している。しかし、万民にとり無限遠としてあるその信仰の距離は、神からすれば、「点」の集合であるに過ぎない(※1)。点は面積をもたないので、無限個の点が集合しても、それは一個の点であることに変わりがない。
そのようにして、一神教の本質は、絶対的な「個」の存在を自覚させる(※1)。近代化は、この近代的個という、人間の存在を、社会的な単位としている。
例えば「天皇陛下の御真影」は、いかに「現人神」と言われても、それはあくまでひとつの「人格的存在」であり、幾何学的な意味での「点的存在」に届いてはいない(※2)。
※1 直線の射影が、点であるということ。“射影幾何学的”である。
※2 天皇の御真影はしかし、天皇-皇后の、ペアであるようだ。ここにはまた別種の「幾何学」がイメージされている可能性がある。